私たちは日々、誰かとコミュニケーションをとりながら生きています。
朝の「おはよう」から始まり、職場や学校での報告や相談、家族との他愛のない雑談、SNSでの短いやり取りにいたるまで──気づけば一日のほとんどの時間を、誰かと「なにかを伝え合うこと」に使っているようにさえ思えます。
でもそんなふうに、毎日のように繰り返している「コミュニケーション」。
その本質について、あらためて立ち止まって考える機会って、意外と少ないかもしれません。
そこで今回は、ちょっと立ち止まってこんなことを考えてみたいと思います。
「コミュニケーションって、そもそもなに?」
「なぜ上手くいくときと、すれ違うときがあるんだろう?」
「正解はないっていうけれど、じゃあどうすればいいの?」──と。
今回はそんなコミュニケーションについて「なにが正解か?」「適正なコミュニケーションとはどんなものか?」とゆるっと考えてみたのでぜひ最後までお付き合いいただければありがたいです。
では行ってみましょう。
コミュニケーションの目的とは?

まず最初に考えたいのは、そもそもコミュニケーションの目的ってなんだろう?ということです。
(**これは前回の記事で取り上げたテーマですが少しおさらい**)
言葉や態度を通して、私たちは「何か」を伝えようとします。
でもその「何か」って、必ずしも明確な言葉になっているとは限りません。
気持ちだったり、考えだったり、頭の中にふわっと浮かんだイメージだったり。
それらをなんとか表に出して、相手に届けようとするのが、コミュニケーションなんですよね。
つまり、コミュニケーションの目的は「頭の中のイメージを相手と共有すること」だといえます。
たとえば「リンゴ」とひとことで言っても、その言葉を聞いたときに頭に浮かぶリンゴのイメージは人によって違います。
赤くて丸いリンゴを思い浮かべる人もいれば、青いリンゴやカットされた断面をイメージする人もいるかもしれません。
同じ言葉を使っても、まったく同じイメージを共有しているとは限らない。
それが、コミュニケーションの難しさであり、奥深さでもあると思うんです。
だからこそ、やり取りを通して「今、私が思っていることを、相手も同じように思えているかな?」と、すり合わせていく作業が必要になります。
このすり合わせが、まさに“コミュニケーション”の核心部分なのではないでしょうか。
コミュニケーションに「正解」がない理由

そしてよく言われるのが、「コミュニケーションには正解がない」ということ。
これ、たしかにその通りだと思います。
なぜなら、相手によって、状況によって、求められるやり方がまったく変わってくるからです。
たとえば、落ち込んでいる友達にかけようとする場面でも、その人が「そっとしておいてほしいタイプ」なのか「話を聞いてほしいタイプ」なのかによって、まったく変わってきますよね。

「元気出してよ!」という一言が、ある人には励ましになり、ある人にはプレッシャーになる。
同じ言葉が、相手によってまったく違う意味を持つ。
これが、コミュニケーションに“唯一の正解がない“理由です。
言葉は万能ではありません。
どれだけ丁寧に選んだとしても、すべての人に同じように伝わるわけではない。
だからこそ、私たちはいつも「これは伝わったかな?」「どう受け取られたかな?」と、相手の反応を見ながら調整していく必要があるんですよね。
相手によって、コミュニケーションの取り方は変わる

そして次に、すごく大切なポイント。
コミュニケーションを取るときには必ず相手がいるはずですよね。
その相手と自分の関係性がどういうものなのかでコミュニケーションの取り方は変わってきます。
たとえば同じ話題を話すとしても、
・親しい友人と話すとき
・上司と話すとき
・初対面の人と話すとき
それぞれで、話し方や言葉の選び方が自然と変わったりしないでしょうか。
これは、私たちが無意識のうちに「相手の性格」「関係性」「その場の空気」などを読み取って、その状況に合ったコミュニケーションを選んでいるからです。

この「コミュニケーションの選び方」の感覚がとても大切で、
これを磨いていくことで、コミュニケーションはよりスムーズになっていきます。
逆に、「自分のやり方が正しい」と一方的に押し通してしまうと、すれ違いが生まれやすくなり、伝えたいことが伝わらないことになってしまいます。
たとえそれが“良かれと思って”の言動であっても、相手にとっては“押しつけ”に感じられてしまい、その結果“余計なお世話”と思われてしまうことも。
だからこそ、「この人には、どう伝えたら伝わるだろう?」と、相手を中心に考える視点がとても重要なんですよね。
「適性なコミュニケーション」とは?

では、「適性なコミュニケーション」って、どんなものなのでしょうか?
ここでいう「適性」とは、相手や状況に応じて柔軟に対応できる力のことです。
つまり──
「相手に合わせた言葉・タイミング・伝え方を考えて選ぶ」こと。
それが、適性なコミュニケーションなのではないかと思います。
たとえば、
・相手が傷つきやすい人なら、やさしい言葉を選ぶ。
・忙しそうな相手には、要点を短く伝える。
・初対面の相手には、共通点を探して安心感をつくる。など
こうした配慮や工夫の積み重ねが、結果的に「伝わる」コミュニケーションへとつながっていくのではないでしょうか。

そしてもうひとつ、「自分らしさを手放さないこと」も大切なことですよね。
相手に合わせることばかりを意識しすぎて、自分の言いたいことが言えなくなってしまうこともありますから。
だからこそ「どう伝えたら、自分の気持ちが“ちゃんと届くか”」という視点を忘れずに、適正なコミュニケーションを取りたいものですね。
「適性を知り対応する力」はコミュニケーションに必要なもの

では、そもそも“適性を知り対応できる力”である”適正力”って、生まれ持ったセンスや才能のようなものなのでしょうか?
もちろん、もともと人と話すのが好きで得意な人もいます。
でも、ここで言う適性力は「努力で伸ばせるスキル」でもあると思います。
たとえば、
・相手の立場に立って考える“想像力”を鍛えること。
・”観察力”を磨いて、相手の表情や仕草から気持ちを読み取る力を育てること。
・たとえ伝わらなかったとしても、「どうすれば伝わるかな?」と工夫を重ねること。
こうした小さな意識や実践を積み重ねることで、コミュニケーションの「適性力」は確実に育っていきます。

そしてそれは、誰かとの関係を深めるだけでなく、自分自身をよりよく知ることにもつながっていきます。
「どう伝えたら、自分の本当の気持ちが言えるのか」
「どうすれば、相手をちゃんと理解できるのか」
そうやって、言葉を通して「自分」と「相手」の間に橋を架けていくこと。
それこそが、コミュニケーションの醍醐味なのかしれません。
正解はない。でも、考えることに意味がある

繰り返しになりますが、コミュニケーションには「これが正解!」という明確な答えはありません。
でもだからこそ、「どうすれば伝わるのか?」「どうすればわかってもらえるのか?」と考えること自体に、大きな意味があるのだと思います。
相手によって、場面によって、正解が変わるからこそ。
日々のやり取りのなかで、試行錯誤していくことが大切なんです。
そしてそのプロセスのなかで、少しずつ「適性力」が育ち、言葉のやり取りがただの情報交換ではなく、「気持ちの橋渡し」に変わっていくのではないかと、私は思います。
あなたが毎日誰かと交わすひとこと。
それが、ほんの少しでもあたたかく、相手の心に届くものになったとしたら素敵なことですよね。
もし、コミュニケーションに正解があるとすれば

コミュニケーションに正解はないとお話ししましたが、唯一正解があるとすれば、
「伝えたいことをうまく伝えるために、相手を性質や状況を理解しようとする姿勢を持つ」
ということではないでしょうか。
・相手がこちらの伝えたいことを聞ける状態なのか。
・声かけができる関係性なのか。
・お互いの立場は?
・タイミングは?
など円滑なコミュニケーションを取る時に考えることは意外とありますよね。

そのことを考える時に、「自分中心ではなく相手の目線に立って想像できる心の余裕を持つこと」が、円滑なコミュニケーションを取るための最適解なのかもしれませんね。
最後に

このブログでは、
「よく考えてみたら、〇〇じゃないかな?」という視点で、
身近なことをゆるやかに思索しています。
今回は「適正なコミュニケーションはある」というテーマで、
ゆるっと考えてみました。
不定期・気まぐれ更新ですが、
またふと思い出したときに、ふらっと立ち寄っていただけたら嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ではまた、次の記事でお会いしましょう。

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